男の子の行動って本当に分からない!
そんなママも多いのではないでしょうか?
それが男子脳と女子脳の違いかも?という説があります。
今回脳研究の篠原菊紀さんの『男の子あるある』の本を参考に脳研究から子育てのススメを考えてみたいと思います。
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うちの子大丈夫?男の子のしつけ
感情のコントロールできるかな?
落ち着きがない男の子たちが学校に行って、授業中静かに座ってられるのかな?大丈夫かなと心配になりますね。
そんな時に、今座っていなくてはならないなどの感情のコントロールが出来るか判断するテストがあります。
① 次の●を1,2,3,4,5・・・と数えながら数えるのと一緒に一拍拍手してください。お子様はあなたのマネをしてもらいます。
●●●●●●●●●●
② 次は●と〇があります。これも1,2,3,4,5・・・と数えながら、今度は●だけ拍手してください。お子様はあなたのマネをしてもらいます。
●●●〇●●〇●〇●
③ 次も1,2,3,4、5・・・と数えながら今度も●だけ拍手します。
●●〇●〇〇●〇●〇
これは、GO/NO・GO課題と行って注意力や抑制力を見る脳科学的なテストです。
GOは、『する』 NO・GOは『しない』を理解して反応するテストなわけです。
『しない』という動作は結構難しく、この時に使われている脳の部分は、右のこめかみのあたり、(下前頭回という前頭葉の一部)が活動します。
この部位が行動や心の動きのブレーキになるのです。
もしこれがうまくできないようであれば、篠原さんは、大いに身体を動かして飛び回らせてあげてくださいと言われています。
そして、もしあまりにも我慢が利かないようならガツンと目線を合わせちょっと低音でしっかりと諭しましょう。恐怖と記憶を結びつける偏桃体が働いて心に刻まれます。
しつけは立派なNO・GOトレーニングです。
我慢する力はをつけさせるには?
実験
アメリカでマシュマロを使った興味深い実験があるそうです。
4歳児に
『今食べていいけど、15分間待つことができたらもう一つマシュマロをあげるね。』
『途中で食べたくなったら、ベルを押せば食べられるよ。ただし、もう一つのマシュマロはなしね』
と言って出ていきます。
このころの子どもにとっては、この実験つらいですね。。。
結果
この実験をした子供の追跡調査が12年後・40年後にも行われました。
12年後
〇1分以内にベルを鳴らした子・・・学校や家庭で行動上問題を抱えている率が高い
〇15分待てた子・・・大学進学適正テストの成績が高い傾向
40年後
がまんや抑制力に関わるGO/NO・GOテストをしながら脳をスキャンした
〇15分我慢できなかった子・・・テストの成績が低い傾向にあった
実験結果
4歳のマシュマロ実験が12歳、40歳杉の脳活動までを予測してしまうという実験結果でした。
篠原さんは言います。
キャンプのような屋外活動やチャンバラ鬼ごっこのような一昔前に盛んだった遊びの中で『ガッとやってグッと止める』という要素が多々あります。
外で人と関わり遊んでいると感情的な興奮もその抑制も嫌というほどしなければなりませんね。
楽しく遊ぶためには我慢のしどころが山ほどあるのです。
実際、調査で、幼児期の運動プログラムの提供や自然体験的なキャンプ活動で、GO/NO・GO課題の成績向上が認められていますからガンガン飛び回り、泥だらけになることは男の子の脳にとって、極めて予防的なことです。
脳は自分の育ちによって都合のいいことをしたがるものです。
我慢する力をつけさせること、これは大変ですが、根気強くつけて行ってあげたい力ですね。
コミュニケーションの力
問題!【A】にあって【B】にない図形はどれでしょう?
(制限時間は20秒)
【A】
【B】
※画像は、『息子育てが楽しくなる!男の子あるある』 からお借りしてきました。
こういう問題は男性のほうが得意な傾向にあります。
こんな問題やサイコロの展開図も音大、迷路課題など、空間的に事物を把握することには脳の登頂連合野が空間的な認知に関わります。特に右脳の登頂連合野が空間的な認知に関わります。
【問題】
目と眉毛の部分だけを長方形に切り取った写真を見せ、その表情から読み取ってどの表情なのかをあてる問題。
A:おどけている
B:慰めようとしている
C:いらだっている
D:うんざりしている
※画像は、『息子育てが楽しくなる!男の子あるある』 からお借りしてきました。
女性のほうが成績がいい傾向にあります。
答えは『c』ですね。
女性の前頭葉が厚いためだといわれていますが、まだ十分わかっていないようです。
ただここで言えることは、女性が思っているほど、男性、男子脳は表情を読み取ることができない傾向にあるということです。
『私の気持ちを分かってくれない』と嘆くよりも、表情を読み取る力が分かりにくい傾向にあるということ理解することのほうが大事だということです。
表情読み訓練
わが子をもっと空気の読める子にしたかったら、『表情読み訓練』をしましょう。
面と向かって親が微妙な表現をし読み取る訓練をします。
報酬はハグだと男の子はとっても喜びます♪
叱る!そしてそのあとにほめる!
やる気の中核。線条体は行動のコントールやスイッチングに関わります。
同時にその腹側は側坐核という快感の中枢です。線条体は行動と快感のマッチングを行うのです。
脳から見るとすごく難しい感じになりますね。
『いいことをしたらほめる』『いいことをしたらほめる』『いいことをしたらほめる』・・・を繰り返すと、『いいことをしようかな』と思っただけで線条体の活動が増し、やる気が出るということだそう!
だからほめましょう!
叱ったらほめる!!
ただ、ほめるだけでは成り立たないのが男の子ですよね。。。(;^_^A
行動経済学のカーネマンらの提唱する『価値曲線』では、実際の報酬や損失と主観的な報酬間や損失間の関係を表現しており、同じ絶対値なら損失のほうが主観的に効き、報酬と損失の比はおおむえ3対1であることを示しています。
つまり、同じ100円をもらうのと失くすのでは、失くしたほうがもらったときより3倍損失を感じるということ。
つまり、置き換えると、一度叱ったら3倍はほめなくてはいけないそうです。
ほめることを念頭に置いておかないと忘れてしまいそう(;’∀’)
ほめ方
でもほめ方ってどうしてほめたらいいの?ってなりますよね。
ほめ方の実験
アメリカのスタンフォード大学の心理学者キャロル・ドゥエックらは、5年生400人余りを対象に面白い実験をされました。
【実験】
比較的簡単な図形パズルテスト①を与えます。
テスト終了後、子どもたちに点数を伝え、成績内容を問わず全員をほめます。
ただし、半分にグループ分けをして、
〇一方で「あなたは頭がいいんだね」と『賢さ』を褒めます。
〇違う一方で「あなたは一生懸命やったね』など『努力』を褒めます。
この二つのグループは、成績が均等になるようにランダムに選定します。
そして2種類のパズルテスト②を与え、どちらでも好きなほうをやりなさいと伝えます。
- 最初のパズルより難しいけれど、やればとても勉強になるパズル
- 最初のものと同じように楽にできるパズル
そして、その後極めて難しいパズルテスト③を与えます。
そして、テスト後、他の穂とのテスト成績を見る機会を与えます。
この時、自分より成績が良かった人の答案用紙をみるか、自分より悪かった人の答案用紙を見るかを選ばせます。
結果
パズル②の選択の課題では、
- の難しいパズルにチャレンジしたのは、『努力』を褒められた子供の9割近くが選びました。
- のパズルを選んだのは、『賢さ』を褒められた子がほとんどで楽にできるほうを選びました。
ドゥエックさんによれば、『努力』をほめられた子供はさらに努力を認められようと難題にチャレンジするが、『賢さ』をほめられた子どもは、自分を賢く見せるために間違うのをおそれるようになるといいます。
つまり、「あなたはもともと賢いのよ」「勉強ができるはずよ」「さすがに頭がいいわね。」といったほめ方は、子どものチャレンジ精子にゃ努力を奪ってしまう可能性があるということです。
そして、パズル③の極めて難しいテストの結果がさらに示唆的であると言います。
『賢さ』をほめられた子は、極めて難しい問題に比較的早くあきらめ、
『努力』をほめられた子は、なかなかあきらめずこの難問に熱心に取り組んだのです。
さらにほかの子の結果を聞く選択肢では、
『努力』を誉めらられた子は、自分より成績の良かった子の答案を見ようとする傾向が強く
『賢さ』を誉められた子は、自分よりも出来の悪い答案をほぼ全員選びました。
つまり、『賢さ』をほめられた子どもたちは、自分より出来の悪い答案を見ることで、自尊心を守ろうとしているのです。こうなると、向上心はなくなり、自分の枠から出られなくなってしまいますね。
子どもの賢さをほめるということは、自分より下の子を見つけては自分の賢さを確認するという、しょうもないモチベーションを作ってしまいがちなのです。
ドゥエックらは一連のテストの最後に、最初にしたパズルのような簡単なテストを子どもたちに実施しました。
結果、『努力をほめられた子』は成績は30%程度伸び、『賢さをほめられた子』は、20%程度成績の低下が起こりました。
つまり、『努力をほめられた子』は間違いを積極的に見つめ、間違いから学んでいき、
『賢さをほめられた子』は自分の間違いを出来るだけ見ないようにして自尊心を維持しようとするので、間違いから学べない、パズルの時方も向上しないと考えられるのです。
実際、間違から学ぼうという姿勢を持つ人は、エラーを見出した時に現れる脳波『エラー陽性電位』が大きく、この大きさとその後の成績向上が強くかかわるとの報告があります。
自分の間違いを積極的に見つけだし、修正しようとする姿勢をほめること、その萌芽をほめることこそ子どもをのばすコツなのです。
ほめ方事例
カウンセリングをしているという韓国のインスー・キム・バーグさんのお話です。
インスーさんの友人の子が友達の頬(ほほ)をたたいてしまいました。
お母さんは、子どもをしかり、相手に謝罪し、子どもを連れて帰りました。
叩いた子は、自分の非が分かっているようでした。
でも、なんだかいじけてしまっています。
お母さんは、その姿に『なんてわからないの?』『ちゃんと反省しなさい』といい、その子はますますいじけてしまいました。
インスーはその様子を見て、その子にこっそり聞いたそうです。
『2回目叩かなかったのはなぜ?1回でやめたのはすごいじゃない』
いじけていた子は目を輝かせてこう言ったそうです。
『だって人を叩いちゃいけないじゃない!』
こちらが望む理屈が、子ども本人の口から出てきました。
しかも誇りをもって!!
勿論最初に叩いてしまったことは悪いことですが、やってしまったことを自分で考え、イケないという理由を自分で語るということはだいぶ違いますね。
脳の中で意欲や学習に重要な役割を担うのはドーパミン系という神経物質です。
無意識的な動作に関わる系と快感にかかわる系の2つがあります。
この2つが線条体を介して結びつくような回路が脳内にはあるのです。
子どもの反省を、自発的な考え行動に結び付けたいのなら、すでに起こっている子どもの考えや行動を利用するほうが楽です。
それをほめると、この2つの系が結び付きやすくなります。
困ったことを一度でやめ、2度はしなかった理由、『マイナス・ワン』の理由を尋ねるとインスーの方法は、どんな場面でもつかえます。是非試してみてください。
意識しないと忘れてしまいそうですが、行動の裏側、発言の裏側を読みっとっていけないことほめるべきポイントを考えていかなくてはなりませんね。
男の子脳まとめ
脳から見た子育て方法、男の子あるあるの本を参考にさせていただいたのですが、最後の30pほどに凝縮して載せられたいました。脳のお話なので、自分で解説するには難しく、ほぼほぼ先生の言葉を借りて記事にまとめましたが、とても分かりやすく、とても勉強になりました。
実験から導きだされる行動と結果。
身につまされる思いになりました。
難しいことですが、これを念頭に置くのと置かないとではやはり違うかと思います。
この本来の本の内容、『男の子あるある』はとても楽しく『ある!ある!』と共感しながらよめ、篠原先生の突込みがまたとても楽しく読むことができます。
是非、この本を手に取って毎日に男の子育児に役立てていただけたらと思います。
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