中学3年生、夏休みを越えて、高校選びを気にしていかなくてはいけない時期になってきましたね。
この高校選びで、知ってほしいことがあります。
高校には、普通科の他に科があるのを知っていますか?
長男の受験の時に、同級生のママと話していた時、
『え?そんな学校あるの?知らなかった~!』というママがいたのがきっかけです。
そのママの子は有名塾で成績のいい子なので目にも入ってなかったのかもしれませんが、職業専門の他に理数や音楽などの科目特化の専門校もあるので、成績のいい子だからこそ!知っておいてほしいことがあります!
昔から言われる『職業科』というものですが、時代の変化とともに様々な科が生れ、同じ科でも内容が様変わりしています。
そして、さらに1994年に創設された新しい学科もあります。
ぜひそのことを踏まえてお子様にあった高校を選んでください。
高校選びで選べる学科は3種類
普通科とその他という感覚がありますが、高校選びで選択できるのがこの3種類です。
- 普通科
- 専門学科
- 総合学科
高校の多様化により、専門学科は職業科だけでなく普通科目の特化した学科も開設され、自分で選び選択して単位をとるという総合学科も設置されました。
全体の約7割の高校が、普通科の学校です。
残りの2割が、専門学科。
0.5割が総合学科になります。
最初から普通科!と決めつけず、専門学科や総合学科の中で自分の合うものがあるか一度見てみて下さい。
- 普通科は、約7割。
- 専門学科は、約2割。
- 総合学科は、約0.5割
参照:文部科学省:高等学校学科別生徒数・学校数(平成30年5月)
なかなか勉強しなくて親のほうがやきもきしてしまう時期だったりしますが、
興味がある学科が見つかれば少なからず目標ができ、やる気もあがるはずです!
ポイントを踏まえてみてぜひいろんな学校を見てみて下さい。
- 将来自分がやりたい事ができるか
- 興味があるものが学べるか
- 学科で学べる内容
- カリキュラム
- 卒業後の進路
普通科
普通科は、中学校の学習をベースに普通教育をさらに深く学習する学科になります。
主に、進学をめざす人向けの学科です。
学年が上がると、文系・理系などにクラス分けされ、卒業後の進路に対応した教育が行われます。
普通科の卒業後の進路
普通科は、大学進学に向けた学習プログラムになっていますので、半数以上は進学を選択しています。
- 大学、短大 約6割
- 専門学校 約2割
- 就職 約1割
うちの子は勉強があまり好きではないので、大学進学を考えてないので後回しで考えた学科でした。
総合学科
1994年に開設され、幅広い科目の中から興味や関心、将来の進路希望に合わせて幅広い科目の中から生徒が科目を選んで、自分だけの時間割を作成し学ぶのが『総合学科』になります。
普通科・専門学科の科目から選択して単位を取れるので、両方の機能を併せ持った学校です。
普通科で学ぶ必須科目はもちろん、興味・関心・進路の希望などに基づいて、約100科目の中から選択し、自分だけの時間割を作ります。
単位制で自分がしたい科目を選択することができます。
職業校や専門校と違って、最初からその方向!と決まってない子も高校に入ってからやりたい科目を選択するので自分の方向が決まってなくても、学校に行ってからじっくりと自分と向き合う事ができます。
そしてやりたい事に向かって科目を選ぶことができるので、とても効率のいい学校だといえます。
どうやって自分がやりたいことを見つけるのか、
総合学科は、『産業社会と人間』という科目が必須とされ、これにより、自分を見つめなおし、自分がしたいことを探していきます。
この学科では、社会人講師による講話や職業見学や体験、大学についても学び、将来自分がどんなことがしたいかという事をじっくり考えられる機会があります。
1年次では、普通科で習う共通科目も重点的に学び、選択科目でも普通科目も選択できますので、国公立の学校を狙う事も十分出来ます。
卒業後の進路
卒業後は、普通科と専門学科と併せ持つ総合学科なので、国公立大学、私立大学、文系、理系、医療・看護系、スポーツ・芸術系、公務員など、さまざまな進路に進んでいます。
進学、専門学校、就職とどちらも3割程度できれいに割れていますね。
まだ自分がどうしたいか決まってない子におすすめです!
職業教育に関する専門学科
昭和っ子としては、ヤンキーや成績の悪い子が行っていたイメージの職業校ですが、
今では技術職として世界に認められる技術を身につけられたり、実験、報告書など大学でするようなレポート課題などを始めています。
将来専門の職業につくために必要とされるその分野の専門知識や技術、資格などを得るということを目標にカリキュラムが組まれています。
『試験管をもって反応を見る』なんていう植物バイオテクノロジーなども学べる学科もあります。
そして、社会での対応の仕方や振る舞いを教えてくれます。
仕事をするのは誰でも当たり前で、そのために準備がいち早く出来るなら越したことはないと思います。
子どもがしたい事、興味があることが専門校にあるのなら一度見てみる価値があります。
- 専門科目の学校は、普通科では得られない新しい知識と技術を習得することになりますので、少なからず自信を得ることができます。
- 社会に通じる資格が取れるので、社会的な自信も持つことができます。
- 偏差値はさほど高くなく、普通科目が苦手な方に、自信をつけたい方に、おすすめしたい学科です。
職業の専門教育を主にするとはいえ、普通科目の授業もあります。
1年生の間は、普通科の最低限の学習をします。
職業科の種類はこちらになります。
- 農業
- 工業
- 商業
- 水産
- 家庭
- 看護
- 情報
- 福祉
など
職業に関する専門学科の進路
気になる進路ですが、職業専門校なので、就職は50%を超えますが、
後の半数は、進学をしています。
その専門の学校に進む進学をすることになります。
- 就職 53.1%
- 専修学校 22.7%
- 大学、短大 20.9%
大学は専門を絞って研究などをしていきますので、
その専門知識がある生徒は大学も欲しいわけで、
その専門に合った大学の指定校推薦枠がどの職業専門学科にもあります。
工業に関する学科
生徒数が一番多い、工業科です。
- 工業科
- 機械科
- 自動車科
- 造船科
- 総合技術科
- 電気科
- 電子科
- 情報技術科
- 建築科
- 設備工業科
- 土木科
- 地質工学科
- 化学工業科
- 化学工学科
- 色染化学科
- 電子機械科
- 材料技術科
- セラミック科
- 繊維科
- インテリア科
- デザイン科
- 印刷科
- 薬業科
- 航空科
などの学科になります。
工業高校がよくわかる漫画があります!
工業はすべてにおいて数学を使います。
電気科などは、理数必須で数学科と先生に呼ばれているくらいです。
農業に関する学科
農業に関するものだと思うと農作業と思ってしまいますが、農業には、
- 農業科
- 園芸科
- 畜産科
- 食品科学科
- 農業土木科
- 農業機械科
- 造園科
- 緑地計画課
- 林業科
- 生活科学科
- 農業経済科
- 生物工学科
- 生物生産科
- 生産流通科
- 食品工学科
- 環境土木科
- 環境科学科
- 生活科学科
- 都市緑地科
などの学科があります。
造園も、園芸も酪農も農業なのです。
食品に関するものを調べたり研究したりする学科もあり、これも農業科になります。
食品の生産、出荷、流通、販売などもこちらに含まれます。
商業に関する学科
- 商業科
- 流通経済科
- 国際経済科
- 国際会計科
- 会計科
- 情報処理科
- ビジネスコミュニケーション科
- 総合ビジネス科
などの学科があります。
商業といえば、会計や簿記などを想像しますが、英語、国際関係学、法律、経済、プログラミングなどもあり、マーケティング・ビジネス経済・ビジネス情報なども学ぶ学科もあります。
観光やサービスに関する教育をする学科もあります。
私は、商業高校の国際コミュニケーション学科でした。商業英検、ビジネス英語検定、商業簿記などの資格を取り、修学旅行はシンガポールでした。
水産に関する学科
水産というと漁業と思いがちですが、漁業だけでなく、
- 海洋漁業科
- 産食品科
- 資源増殖科
- 海洋工学科
- 情報通信科
など様々な水産に関する学科があります。
マリンスポーツが盛んな学校もあります。
家政に関する学科
- 家政科
- 被服科
- 食物科
- 保育科
- 生活文化科
などの学科があります。
保育士、栄養士、デザイナーなど様々な分野で活躍できる人材を育てます。
看護に関する学科
看護士になるための学科ですね。
普通教科のほかに専門教科「看護」を学習する。
衛生看護科は、卒業すると准看護師国家試験の受験資格が取得できます。
更に看護学校に進学して2年間学び、看護師国家試験受験資格を取得することができます。
近年、看護科(衛生看護科)+専攻科といった5年制の看護科とする学校が増えてきています。
情報に関する学科
- 情報システム科
- マルチメディア科
などの学科があります。
福祉に関する学科
介護福祉士や保育士を目指す学科と、いくつかの福祉の科目を履修し福祉系の専門学校や大学へ進学を目指す学科があります。
かつては保育士の資格の取得が可能でしたが、制度が変更となり短大卒業資格以上の資格が必要になり、保育士の資格は取得できないため保育士になるためには大学・短期大学・専門学校に進学をしなくてはいけません。
舞台表現に関する学科
舞台表現科、演劇科などの学科があります。
舞台表現に関する科目を学習します。
芸術高等学校に併設されている学校がほとんどです。
書道に関する学科
書道科、芸術科などの学科があります。
芸術高等学校に併設されている学校がほとんどです。
観光・地域振興に関する学科
観光科、国際観光科、地域創生科などの学科があります。
観光や産業、学校のある地域の文化や地域課題等に関する科目を学びます。
商業高等学校に併設されている学校がほとんどです。
観光についての学科は商業に関する学科として位置づけられている学校もあります。
専門教育を主にする学科
専門教育を主にする学科は、普通科目を重点的に学習する学科です。
特定の普通科目を重点的に学習する学科
- 英語
- 国際
- 理数
- 音楽
- 美術
- 体育
- 外国語
- 国際関係
など
理数に関する学科
- 理数科
- 数理科学科
- 総合科学科
- フロンティアサイエンス科
- 理数科学科
- 数理科学科
- 環境科学科
- 自然科学科
- グローバルサイエンス科
- コスモサイエンス科
などの学科がこれにあたり、普通教科のほかに専門教科「理数」を学習する科になります。
理数科は、普通科が設置されている高校にアドバンスコースのように併設されている場合がほとんどです。
理系への進学者が多くを占める子の学科ですが、文系の学部へ進学するための選択科目で、地理歴史を選択出来るようになっている学科も多いです。
理数の専門科目
- 理数数学Ⅰ
- 理数数学Ⅱ
- 理数数学特論
- 理数物理
- 理数化学
- 理数生物
- 理数地学
など、普通科の数学・理科より、より深く学習することになります。
実験・実習の時間が多く取られ、探究活動を実施する学校もあります。
体育に関する学科
- 体育科
- 保健体育科
- スポーツ科学科
などの学科があります。
音楽に関する学科
音楽科、芸術科などの学科があります。
専門教科である「音楽」(楽典・理論等)や「調律」などを学習します。
副科としてピアノ(ピアノ科の学生はピアノ以外の任意の学科)を学習します。
試験はピアノの試験もあります。
美術に関する学科
美術科、芸術科などの学科があります。
外国語に関する学科
「英語」や「外国語」に関する学校設定教科を学習する学科です。
英語を重点的に学習し、さらに第二外国語として、ドイツ語、フランス語、中国語、韓国語、スペイン語などから1つ選択して学ぶところが多いです。
国際関係に関する学科
国際科、国際教養科などの学科があります。
専門教科「英語」や国際関係に関する学校設定教科を学習します。
商業高等学校の学科にもこの要素が含まれる学科があります。
人文科学に関する学科
- 人文科
- 国語科
- 伝統芸能科
- 歴史文化科
などの学科があります。
国語・地理歴史・公民など、普通科において文系に分類される科目重点的に学習します。
探究活動を行う学科
- 文理学科
- 人間探究科
- 自然探究科
などの学科があります。
高校選びまとめ
いままで画一的な学習をしていた義務教育から、高校は自分で選択して進学します。
15年間、自分が進んできた道、そしてこれから歩む道を自分で見つめてもらい、自分がどういうところに進みたいかを考えます。
高校に入れば、もう秋には専門コースを選ばなくてはなりません。
今、高校受験にあたって、
- 自分が得意なこと、興味があるもの、自分がしたい事、やりたいことがあるなら・・・職業科や専門学科
- 就職も含めてまだ決めかねているなら・・・総合学科
- 大学に行こうと思うなら・・・普通科や専門学科
をお勧めします!